福澤文明塾生の声

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「雨ニモマケズな仲間」第10期修了生: 石田 伸介(自衛官)

素晴らしき仲間とのつながり

10期生として福澤文明塾を修了して1年余り、今もって文明塾のことを思わない日はないといっても過言ではありません。何故「文明塾愛」ともいえる熱い感情が持続するのか。そこには「対話と議論」に苦悶した3か月への郷愁に加え、今も未来先導のために活躍をする素晴らしき仲間とのつながりが存在するからだと思います。

今やコア・プログラム及び環境教育プログラム修了生からなる文明塾会の会員は700名を超え、私自身も文明塾の公式/非公式の行事等、期を越えた交流から大いに触発されていますが、それでも私にとって最も大切な仲間は「あの3か月」を共有した同期56名であり、そもそも文明塾を志したのもこれまでとは異なるフィールドで無二の仲間を得たいというのが動機でした。

さて、私が所属する海上自衛隊には「何よりも同期を大切にする」という旧海軍以来の美風が遺っています。そこには苦しい訓練等を共に乗り越えたという仲間意識は勿論のこと、護衛艦等の運用に不可欠な組織力の大切さを教える原点の意味もあるのでしょう。更には、万一職に死しても残された家族は同期でしっかり支える、すなわち「いざ鎌倉」の際には後顧せず「しっかり戦え」との教えも込められているのだと思います。

翻って我が文明塾同期のことです。自衛官として初入塾の機会を頂いたヨソ者の私から見た同期の皆さんに対する第一印象は、これまでに出会ったことのない種類の人達であり、とりわけ学生の方々にはその賢さと洗練さに「選良」という言葉はまさに彼らのためのものだと思ったことを鮮明に記憶しています。これらの印象は今も変わりませんが、修了式の挨拶でも述べさせて頂いたとおり「これだけの精鋭をもってしても、いやこれだけの精鋭だからこそ一向に得られないコンセンサス、繰り返されるゼロリセット、最終局面での時間との戦い、そしてこれらをつなぐ様々な想いがない交ぜになった喜怒哀楽の感情」から織りなされた至福の時を経て、同期としての一体感や未来貢献活動に向けた具体的な成果を得ることができました。そして、その過程そのものこそ私が文明塾に求めたもの、すなわち未知の領域に中心を持つ「同期の絆」の成就であり、またその核があるからこそ文明塾会をはじめとする様々な仲間の輪が根を張って広がっていくのだと理解しています。

未来貢献という旗印の下に

雨ニモマケズ 風ニモマケズ
春ニ北ノ大地ヤ仏國二雄飛スル若人アレバ 送別ノ宴デ鹿嶋立ヲ願イ
夏ニ習事ヲ披露スル美魔女アレバ 発表会ノ場デ自ラモ踊リ
秋ニネタヲ仕込ム芸人アレバ 会場最前列デ熱イ声援ヲ送リ
冬ニ文明塾修了一年ノ節目ヲ迎エレバ 恩師ヲ招キテ同期ノ旧交ヲ温メル
ホメラレモセズ クニモサレズ
サウイフ 三爺 二 ワタシハナリタイ

これは、10期修了後に同期中の先輩お二人からお招き頂く幸運を得た「3爺」、そして我々に賛同くださった同期有志の方々とこの1年でやったことを『雨ニモ負ケズ』になぞらえたものです。コア・プログラム当時、約半数を占めた学生の皆さんも既に多くが社会人となられ、2年後にはすべての10期生が未来の先導者として社会の第一線で活躍することになります。その際、3爺に求められるものは何なのか。先述の自衛隊的観点に立つならば、一体感の醸成や組織力の発揮は既にコア・プログラムで確立しており、あとは後顧の憂いなく若者に活躍して頂くのみ、これを下支えするのが我々の任務ではないかと個人的には思っています。3爺の活動は、先輩お二方の「10期の世話人」としてのご自覚から実現に至ったものですが、文明塾への無償の愛情によるノブレス・オブリージュ的行為も、未来貢献という旗印の下、老若男女が一同に会する福澤文明塾ならでは凄みではないかと思います。
(了)

募集要項

※ 福澤文明塾生の所属は、原稿作成時のものです。

※ 講師のプロフィールは、プログラム開催当時のものです。

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