福澤文明塾生の声

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「知的苦行の先の仲間」第9期修了生: 石原 弘子(会社員)

怒濤の知的苦行ブートキャンプ

「福澤文明塾?なんですかそれ?」

一介のアラフォー働く母にとってあまりにも縁遠い取り組みのように思えましたが、よくよく聞き直すと面白そうではある。でも面倒くさそう。仕事と2歳男児(当時)の子育ての両立ですらギブアップ寸前だと言うのに何を言ってるんだこの先輩は。

発端は、社内の大変ユニークな先輩(文明塾OB)に「面白いから行ってこい」と背中を押されたのがきっかけでした。

葛藤の結果「面白い人が勧めるものは大概面白いのでは」という仮説を実証すべくダメもとで受験することに。

しかしながら選考の小論文では、かの「文明論之概略」がテーマにも関わらず「讃岐うどん」について記述、面接は出産で死にかけた話に終始。面接終了後顔面蒼白で三田の空を見上げる間抜けな姿を同僚に発見され死にたくなったのも今となっては良い思い出です。

いざ参加すると、予想以上に仕事+子育て+週2日の文明塾通いという3足のワラジ状態が重くのしかかります。課題提出や資料作成のため睡眠時間が平均3時間になり、グループワークが佳境に入る頃には週4回集まることもザラ、仕事も繁忙期だったため家族に増々負担をかけ毎週土下座、それにともない体重も増えていくなど、忍耐力を試されているような期間でした。

グループワークは「学びほぐし」

そんな八方塞がりの中でも、文明塾の斬新なカリキュラムによって今まで知りえなかった知識や考え方に触れる喜びや、多様な講師陣や仲間との関わりは大変刺激的で、特に10代の学生から60代の会社役員まで、とバックボーンは異なれどもそれぞれユニークな考え方を持つ人たちとの交流が楽しみで、毎週胸躍らせながら参加していました。

提言課題(グループワーク)は今までの業務上のそれとは難易度が全く異なり、当初は戸惑う事も。
レンジの広すぎる人材8名で方針を1つにまとめ期限内に成果物に落とし込まねばならない逆境的状況で、どのグループもチームビルディングに苦戦している様子。

所属チームでも御多分に洩れず、大小トラブル頻発し中間発表後に居酒屋で揉めて全員号泣するなど、珍エピソードには事欠きません。
一方で号泣事件以降、表面上の議論が急速に深みを増したり、メンバーそれぞれ視点を変えて物事を見るようになったりと、急速に流れが変わっていくのを垣間見ました。
最終日には全員徹夜して最終プレゼンに望み、結果最優秀賞を頂くという奇跡まで起こります。
最後の最後で、やっと「仲間」になり得たのかなと。

短期間で効率よくタスクを進めるには定量的ロジカルさも勿論大切ですが、一方では人間的でアナログな要素(信頼、熱さ、志)も重要な要素ということを身をもって再認識していく過程はまさに「知識は覚えただけでは身につかず、それを学びほぐしたものが血となり肉となる」を体現するかのようでした。

人生のターニングポイントに

実はこれで終わりではなく、これらの体験は私自身のターニングポイントとなりました。
文明塾修了後、より「社会課題を解決するお手伝いをしたい」という思いが強くなり、文明塾在学時に研究し事業内容に共感した某認定NPO法人にその後転職しています。

文明塾で出会った仲間はそれぞれの道を究めた達人揃い。
日頃は足元にも及ばない人たちではありますが、みなどこかハートが熱く、面白い人だらけ。そんな人たちと上っ面ではなく本音と志がぶつかり合う時間を共有できたからこそ、いまだに飲んで笑ったり、悩みを相談したりのナナメ関係相互メンター関係が続けられる気がしています。

最後に「面白い人が勧めるものは大概面白い」について。
私も推薦します。3か月間騙されたと思って行ってみてください。きっと何かが変わります。

募集要項

※ 福澤文明塾生の所属は、原稿作成時のものです。

※ 講師のプロフィールは、プログラム開催当時のものです。

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