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「合気道」講師: 多田 宏(合気道九段)

“宇宙”は自分の内側にある

皇族も稽古したという布の畳みのしかれた広い道場の正面には、「合気道」の大きな掛け軸と合気道の祖の先生方のお写真が飾られてありました。
多田さんは世界で唯一、合気道の九段をお持ちの方なのだそうです。

合気道の基本的な精神(人間は宇宙と一体である)の説明、呼吸法の実践、技(のほんの入り口)の実践、多田さんと東京大学・早稲田大学の合気道会の方々の実技を交え、易しく教えていただきました。

私が小学生のときに合気道に通っていたとき、なんとなしに宗教的なものを感じていましたが、多田さんは「宗教ではありません」と、きっぱり否定されていました。「科学が進んだら“気”に行き着く」とも。
多田さんは“気”について、「私たちは勝手に生きているのではなく、宇宙に生かされているのです。教養や知識は宇宙から借りているにすぎません」という意味のことをおっしゃいました。
人間は宇宙と一体なので、宇宙から得られるものを得られる体の状態、精神の状態を保つことで、最大限の力が発揮できる、というご説明でした。

自分の肉体といえども、自分の意のままに動いて、耐えてくれるものではありません。自分の肉体をうまく使いこなす、そのために健全な精神状態を保つことで、最大限の力を発揮できる、という意味だと理解しました。
「宇宙からエネルギーをもらう」、と、体外からエネルギーをもらう印象を受ける言葉を使いつつも、その実、ここで言われている“宇宙”は自分の内側にあるということを言っているように感じました。

(20代 女性 大学職員)

合気道は人間修養道だ

先入観として、合気道は、相手の力を利用して投げる、力の弱い者の護身術ぐらいの理解しかなかったが、道場見学で改まった。

合気道は、武芸を争わないという。呼吸、エネルギーの扱い方、気を作り出し相手を巻き込んでいく、物事にとらわれない解放されたこころ。もはや武術の域を超えている。これは、人間修養道だ。人間としていかにあるべきかという人間問題の身の修め方だ。

合気道、茶道、禅、仏教(その前身の密教)これらが一体となって感覚的に感じれた有意義な一日であった。

(30代 男性 会社員)

プラスはゆるやかに現れ、マイナスはあっという間に現れる

講師の多田宏九段は「自分自身の生命を高めること」の重要性を強調しておられましたが、80歳を過ぎて、なお、お元気なところに圧倒的な説得力がありました。
「プラスはゆるやかに現れ、マイナスはあっという間に現れる」
「(相手を倒すのではなく)相手と一体になる」
「心を鏡のようにする」
「宇宙と同化する」
等々、対象に囚われることの危うさ、心の平穏の大切さなどが、表現を変えて繰り返し述べられていたように思います。 道場は寒く、カラダは硬く、稽古についていくのは大変でしたが、幸運にも森師範の丁寧なご指導もいただき、貴重な体験となりました。

(40代 女性 会社員)

セッションの感想

募集要項

※ 福澤文明塾生の所属は、原稿作成時のものです。

※ 講師のプロフィールは、プログラム開催当時のものです。

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