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多くの対話によって、「我慢ではなく理解、否定ではなく共感」を学びました 第2期生修了生: 濱脇美帆子(大学生)

一人ではお手上げでも、仲間と話しているうちに解決の糸口が見つかる

私が福澤諭吉記念文明塾に入塾したのは、大学2年の10月でした。しかし、最終的にその時の養子縁組に関する講演会プロジェクトが終了したのは、大学4年になる直前の3月。12月の修了式を迎えた時には、一年半、大学生活の3分の1をかけて何かするとは想像もしていませんでした。

「仲間」と一言にいっても、簡単になれるものではないと思います。私は、坪井さんという同じグループの学生(当時)と共に責任者を務めることになったのですが、正直、アナログとデジタルという位に思考や伝え方が異なっていて、相手が何を考えてそのように発言しているか本気で理解するまでには相当の時間と対話が必要でした。「我慢ではなく理解、否定ではなく共感」は、その時に学んだ教訓です。

講演会実現を目指すなかで、私にはグループや立場の垣根を越えて少しずつ仲間と呼べる人たちが増えていったと思います。受けた影響は数えきれませんが、「学び」という点に絞ると、優先順位をつけることと役割分担の大切さが浮かびます。

文明塾のような場には、当然多種多様な特性をもったメンバーが集まります。そのなかで、毎時毎分毎秒、今自分が何をすべきかを客観的に考え、行動できるように努力しなければ、とてもではありませんが、社会人をはじめとする仲間のフルパワーを前には何かを訴えることすらできません。
同時に、自らの特性を理解し、何をやらないかを決断して、仲間に任せ、きちんと役割を分担させることも非常に重要でした。この2つは両輪のようで、どちらが欠けてもうまくいきません。特に、私のような経験のない学生が責任者を務めるにあたり、このようなプロジェクトを成功させた経験をもつ社会人が支えて下さったことはとても大きかったです。不思議なもので、一人ではお手上げのことでも仲間と話しているうちに解決の糸口が見つかることはよくありました。

2期全員が一丸となり、社会に生きる「人」と向き合おうとしたことが成功につながった

今回のプロジェクトを通じて痛感しましたが、社会に対して何かを問いかけたり、投げかけたりすることは、決して容易ではありません。しかし、きちんと準備をすれば、必ず返ってくるものがあります。その向こうに、生きている生身の人間がいるからです。思いもよらない人の助けや直接関係のないところでの人とのつながり、会場にきてくれる参加者。すべての人とつながっていきます。プロジェクトでも、最終的に2期全員が一丸となって、テーマを通じ、社会に生きる「人」と向き合おうとしたことが講演会の成功につながっていったと思います。

いくら学びを心に刻んでも、行動を伴わなかったり、逆にやり過ぎたりして仲間に迷惑や心配をかけることもあります。しかし、文明塾の仲間は、第一に本人の気づきを重んじ、その上で必要な時、求める時には指摘してくれます。普段、同世代とはもちろん、世代を越えて情報や意見交換をすることも多くあります。お互いに対して自然に生まれていく心からの尊敬、妥協を許さないこと、何かを達成するための情熱、その過程での衝突や失敗。そのどれをもが文明塾という種を、そこに集まる人を、育んでくれるのではないでしょうか。

「私自身に何ができるのか」。突き詰めるには、まだまだ未熟ですが、いつかもう一度この仲間と社会に向けて何かを起こすとき、必要なことができる自分で在るために、失敗も成功も心の糧にして、私は自身の人生を見据え、今をしっかり歩みたいと考えています。

募集要項

※ 福澤文明塾生の所属は、原稿作成時のものです。

※ 講師のプロフィールは、プログラム開催当時のものです。

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