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「自分が変わらなければいけない」 第15期修了生: 朝田 なお(大学生)

大学3年生の春。私は大学の受け身な授業にどこか物足りなさを感じていた。大学生活も折り返し地点にさしかかり、自分が挑戦出来る場はないかと、新しい環境を求め辿り着いたのが文明塾だった。

「ここなら何かが変わるかもしれない」

「今までにない経験ができるかもしれない」

そんな曖昧な希望と期待を胸に、私は文明塾の門を叩いた。

予期せぬ挫折

私を待ち受けていたのは新たな変化でも貴重な経験でもない、不安と苦悩の日々だった。まだ十分な知識も経験もない私にとって、15期の仲間はあまりにも輝いて見えた。素晴らしい経歴を持ち、社会貢献がしたいとエネルギー溢れる仲間の姿は、私には手の届かない遠い存在に感じてしまったのだ。気がつけば、周りに圧倒され自信を失っている自分がいた。常に周りの目ばかりを気にし、手を挙げて発言する勇気さえ出なくなっていた。

自分と本気で向き合うこと

私は今まで、同年代の同じようなバックグラウンドを持つ同質な環境の中で生きていたのだと気づかされた。私は“井の中の蛙”だったのかもしれない。世界は私が想像していた以上に広かった。文明塾は、自分とは年齢も職業も異なる多様な人々が集まっている。48人いれば、48通りの考え方があり生き方がある。そんな多様性の中で、自分は何ができて、何を周りに与えることができるのか分からなかった。周りにはない自分らしさとは何か考え続けた。これほどまでに自分と本気で向き合った経験は今までなかったように思う。

自分が変わらなければいけない

私は頭のどこかで環境が自分を変えてくれると思っていた。良い大学に入れば、海外に行けば、文明塾に入れば、自分は変わると思っていた。しかし、実際は違った。どれほど良い環境にいても、自分が変わらなければ何も変わらないのだ。私は、自分の手でこの素晴らしい環境を台無しにしていることに気づいた。このままでは、自信を失った経験だけで終わってしまうのではないか、そう思った時、わたしは自分のありのままをさらけ出し、この環境を「楽しむ」ことに決めた。思ったことは素直に伝え、分からないときは臆せずに聞く、そうすると周りも私らしい視点や発言を褒めてくれるようになった。私はもしかすると背伸びをしていたのかもしれない。かっこつけようとしていたのかもしれない。文明塾は、自分を良く見せようとする場ではない。私はそのことにようやく気づいた。ここには、悩んだ時手を差し伸べてくれる仲間がいる。自分のありのままを認めてくれる仲間がいる。文明塾は私が当初抱いていたよりもはるかに温かく居心地の良い場所だった。文明塾での学びはこの3ヶ月では終わらない。何年後、何十年後にまた出会ったときに、今自分はこういう人間で、こういうことがしたいのだと胸を張って言えるように、今後も変わり続けていきたい。

募集要項

※ 福澤文明塾生の所属は、原稿作成時のものです。

※ 講師のプロフィールは、プログラム開催当時のものです。

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