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「人の違いを認め,活かすことの楽しさ,意義を体感しました」 第14期修了生: 一瀬 康平(会社員)

リーダーに対する憧れ

「文明塾は,対話と議論の場を提供し,未来貢献を志すリーダーを育てることを目指しています。」

2015年の夏の塾生募集説明会,そこで出た「リーダー」という言葉に,私は強く惹きつけられました。将来的に成し遂げたいことを実現するには,様々な人の力を借り,時には利害の対立する人々を説得し,巻き込んでいくようなリーダーになる必要がある。にも関わらず未だリーダーになっていないことに焦りを感じていた私にとって,文明塾はまさに求めていた場所だと直感しました。

また,学生だった頃,当時代表を務めていた就職活動支援サークルの同級生メンバーから「俺がここで得たものは,何もなかった。」と言われてしまった残念な過去の記憶を上書きしたい,リーダー失格の烙印を消したいという思いもあり,私は文明塾の門を叩きました。

文明塾での気付き

プログラムの中に,未来への政策提言に向けたグループワークがあります。これは, 年齢・社会での経験等バックボーンの異なる6~7名のメンバーが,1つのグループとなり,皆で政策提言のテーマを決め,3か月後の発表に向けて取組んでいくものです。

文明塾の特徴といえば,年齢関係なく,フラットな立場で意見を言い合える場と「ポジティブ・フレーミング」という断定的な批判や評論を避けたコミュニケーションのルールですが,これは私にとって今までのスタイルを封じ込める強制ギブスのようなもので,その状態でのグループワークはなかなか苦しいものでした。皆考えていることが異なり,違いを認め合うことができず,議論が平行線を辿り,まるで進まないのです。とはいうものの,何かの縁で同じグループになった仲間ですので,「是非全員が納得しながら,楽しくワクワク取組みたい」という思いを捨てたくなかった私は「何が足りないのか,どう動くべきなのか」と,文明塾外の時間でひたすら自問自答し,グループワークの時間で試行錯誤するというサイクルを繰り返しました。その過程で,人は価値観や考え方が違うという当たり前のことと,だからこそ人の話をしっかり聞いて,対話するという文明塾が伝え続けてきたことに,ようやく辿り着くことができたのです。

今までの私は,何かを作り上げる時に,思いが先走ることが多く,独りよがりになりがちでした。しかし,メンバーとの対話を通じて,論理的思考を含む様々な視点も取り入れて活かすという新たなスタイルが私の中に生まれました。時には分かり合えるまで諦めることなくとことん対話し,時には自分の意見は一切言わずファシリテーター,板書係に徹し,時には一時的に場の雰囲気が悪化してでも厳しい投げかけをするなどの行動,反論されても動揺しない心,人としての幅を手に入れることができたと感じています。

得難い体験

私のいたグループには,楽しくワクワクすることを志向する人,論理的に事実を積み上げることを重視する人,批判的なアプローチを好む人,様々な価値観・考え方の人がいました。違いを認め合えないとお互い苦痛ですし,議論は深まりませんが,そこを乗り越えて力を合わせることができたら,その時のワクワク感と感動はひとしおです。

私たちのグループの政策提言は,メンバーの多様性を活かせたもので,グループメンバーの誰一人が欠けても到達し得ないものだったと確信しています。

何故変わることができたのか

私が文明塾で変わることができたのは,文明塾にお越しいただいた様々な現役リーダーとの議論,コーチング,交渉学,教養を学ぶ場,即興再現劇等の綿密に練られた多方面から気付きを与えてくれる良質のプログラムと,何より3ヵ月間苦楽を共にし,議論し,時には激しくぶつかりあい,受け止めてくれた,価値観・考え方の異なる多様性に溢れた14期の仲間がいたからこそだと思います。

これからどう生きていくのか

文明塾以上に多様な価値観・考え方を持った人々で溢れるこの世の中で,違いを乗り越えるのは困難が付きまといます。何かを成そうと一歩を踏み出せば踏み出すほど,避けては通れない他者との対峙の中で,人と分かり合うのは難しいという現実に直面し,苦しい思いをし,嫌な目にあうこともあろうかと思います。

ですが,最初バラバラだったグループが最後は違いを認め合い,乗り越えることで1つの提言を生み出せたという体験,そこで得たダイナミクスとワクワク感を忘れず,それを胸に秘めながら,私が成したいことに向けて歩み続けていきます。

募集要項

※ 福澤文明塾生の所属は、原稿作成時のものです。

※ 講師のプロフィールは、プログラム開催当時のものです。

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