自分の中で何かが変わったという実感
2014年12月13日深夜。福澤文明塾での日々を終えて、かすかに残る卒塾の興奮を抑えつつ、ふっと
最寄りの一駅前で降り、自分がこの3ヶ月でどう変わったのか考えていました。論理性がとりわけ深まった訳ではなければ、プレゼンが上手くなった訳でもありません。ひょっとすると、目に見える変化はそれほど多くなかったのかもしれない。ただ、明白に変わった“何か”、その存在への実感が確かにあったのです。
文明塾に入塾を希望した当時の私は大学3年生になり、専門決定や就活などが迫る中で、様々な迷いを抱えていました。“自分は何がしたいのか”。その言葉が常に重りのようにのしかかり、身動きできずにいたのです。そのような状況を打破すべく、自分のしたいこと、そしてそれを支える自分の軸を探して、文明塾の門戸を叩きました。
文明塾での日々は自分の想像を超えて、
新たな学びの連続でした。ストラテジック・リーダーシップのセッションにおける多分野のリーダーの方々の講演では様々な生き方や情熱に触れる中で、自分の理想のリーダー像が自然と構築されていきました。また日本の絵画思想や仏教思想を交えたベーシック・ナレッジにおいては、最も重要にも関わらず普段の生活の中で忘れてしまっている“幸せ”について、真剣に考える機会を頂きました。
やりたいことをするのではなく、やることを楽しむ
そのような学び多き文明塾の日々の中で私の“自分は何がしたいのか”という悩みに対し、最も印象的に変化を与えてくださったのは、元プロテニスプレイヤーの杉山愛さんが紹介してくださった“遊戯三昧”という言葉でした。これは“やりたいこと(楽しいこと)をするのではなく、やることを楽しむ”という意味の禅語です。たとえ理想のリーダー像や目標、幸せの形が見えてきたとしても、私はそれを達成する過程を楽しめるでしょうか。そもそも私は今、この瞬間に様々迷い、悩む過程そのものを楽しめていたでしょうか。今までは明らかにそうではありませんでした。結局、いまだ自分が何をしたいのかは明白には見えていません。しかし、答えの見えない悩みに対する接し方や文明塾中至る所で聞こえてきた“人生30000日”の1日の捉え方が明らかに変化し、目の前のことに全力で取り組みつつ、全力で楽しんでいます。
この文章を読んでくださっている学生や社会人の方々にとって、私の一番の発見はひどく当たり前なものに思えるかもしれません。しかし、いかに当たり前のことであっても各々が考え、学んだことを異なる人生のステージに立つ49人と一人間として真剣に語り合える、そんな時間は非常に貴重ではないでしょうか。何百人にも及ぶ文明塾生の中において、皆様だけの”変化”、皆様だけの”学び”を聞けることを今より楽しみにしております。
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Vol. 16「社会人になる前に学べて良かった」
第11期修了生: 岡部 耕太郎(大学生) -
Vol. 15「変なヤツでOK」
第10期修了生: 中川 寛子(会社役員)
※ 福澤文明塾生の所属は、原稿作成時のものです。
※ 講師のプロフィールは、プログラム開催当時のものです。