新しい世界が目の前に広がる、何ともいえない感覚を味わうことができた
福澤文明塾に入ったのは、何か面白そうという直感的な思いが強く、正直に言えば、リーダーというものには、それほど関心が高くありませんでした。私はみんなの先頭に立つタイプではないし、どちらかといえば、よきフォロワーになれればいいと思っていたし、文明塾のキーワードである「対話と議論」についても、それが意味するものは何であるか、深く考えていなかったと思います。
ところが、文明塾に入って、さまざまなリーダーのかたちに触れることになりました。各界のリーダーの言葉を聞き、文明塾に入らなければ出会えなかった人たちと来る日も来る日もディスカッションしました。グループワークでは、ぶつかることも、思い通りにいかなかったことも、自分の無力さを痛感させられることもあったし、自分の強みを発見することもありました。できたこともできなかったこともたくさんあって、私の価値観は揺さぶられ続け、それはまるで、でこぼこ道をものすごい勢いでドライブしているような感覚でした。
そして終わった時、今まで見たこともないような新しい世界が目の前に広がっているような、何ともいえない感覚を味わいました。私に新しい景色を見せてくれた仲間たち、共に走ってくれた仲間たちには、今でもありがとうという気持ちがとまりません。
理解したい気持ちと真摯な姿勢があれば、ぶつかっても、信頼関係は崩れない
新しい景色とは何だったのか、ずっと言葉にできずにいましたが、今はこう思っています。自分1人でなし得ることはあまりにも小さく広がりもないけれど、本当の意味で誰かと力を合わせれば、それは大きな力になる。「みんなで仲良く波風立てず」という姿勢は、一見友好的なようでいて、そうでもないということ。ときにぶつかりあうことも含めた深い対話と議論は、変革を起こすことや、新しい世界を掴む翼になるということ。そして、相手を理解したいという気持ちと、物事に対する真摯な姿勢があれば、ぶつかりあうことがあったとしても、信頼関係は崩れることがないということを学んだ気がします。
文明塾が終わって、「あなたのリーダーシップとは何か」「あなたはどんなリーダーシップを発揮するのか」という問いが、私のなかに残りました。2011年3月11日、未曽有の大震災が起こりました。その問いは、以前にも増して鋭く私のなかにあります。そして今、その問いは、「あなたはいかに生きるのか」という問いととても似ていると感じています。
文明塾は素晴らしい旅の始まりでした。これからも終わらない旅を続けたい。それが文明塾で得たものだと私は思っています。
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Vol. 6「将来の地球環境はもちろん、今の問題と取り組むべき方向が見えてきました」
環境教育プログラム 第1期修了生: 鼎 理英子 (大学生) -
Vol. 5「己がリーダーであることを自覚。視点、手に取る本、行動が変わりました」
第4期修了生: 八木 研 (会社員)
※ 福澤文明塾生の所属は、原稿作成時のものです。
※ 講師のプロフィールは、プログラム開催当時のものです。