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人生の山を下っているのではなく、脈々と続く次の尾根を歩きだしていると思えるように 第4期修了生: 山中 一江 (会社役員)

日本文化を次世代に伝える術を知りたい、その思いで入塾

年齢も50を過ぎた頃から、自分の人生が頂上に向かって歩いているのではなく、確実に有限な人生のゴール…「死」への道を進んでいる事を実感し始め、今後の人生は社会の為に使いたいと思いましたが、子どもたちには、「お母さんのように精神論だけじゃ世の中は動かないよ」と言われていました。
知識は大切ですがそこに軸となる精神があってこそ知識が生きると主張したくても、世代の違いなのかそれを子どもたちに伝える言葉が無い自分を歯がゆく感じていました。また、私は明治を生きた祖父母や戦争を体験した父母の話を聞いて育った年代であり、私たちには日本や我が家の文化を次世代に伝える役目があると思っていましたので、自分の想いを形にして伝える術を模索していました。

文明塾の4期でも私はどうも最高齢であったようで、社会人さえほとんどが子どもの世代でした。かなりの年齢差はありましたが、皆がありのままの私を受け入れてくれたので本当に楽しく3ヶ月を過ごさせて頂きました。

経営者の方々の持つ時代背景や人柄を感じ、「真のリーダーとは何か」を考えさせられたストラテジックリーダーシップ。人間の心の動きや自分や相手の内面を掘り下げる、心理学や哲学に通ずる交渉学やコーチング、これはグループワークの最終段階に効果を発揮したように思います。

ロジカルな思考、目的に向かう道筋や伝える言葉が見えてきた

年齢もバックグラウンドも違う者同士が1つの目標を探し時間の制約の在る中で提言を作り上げるグループワーク…何とも緊張感溢れる素晴らしい体験でした。

どのグループもそうでしょうが、順風満帆ではなく、議論が詰まったり、対立したり、先の見えない焦りや不安を感じながらそれでも必死に頑張って最終日を迎えました。私たちのグループは、終盤になって自分たちの向かっている物が何かを見失ってしまいました。
迫る最終発表に危機感を感じ、Bグループにしては珍しく全員がネガティブになりかけた時、バラバラになっていた全ての事柄と時間軸が1つになり、探していた物が見つかったと確信した瞬間がありました。全員の顔がぱっと明るくなった場面は忘れられません。実際は居酒屋での一コマだった為、その後誰もその内容を明確に説明できなくなっていましたが…。

この3ヶ月で、私は自分の人生の山を下っているのではなく脈々と続く次の尾根を歩きだしていると思えるようになりました。世代間ギャップも年代で人間性が変わるのではなく、経験・環境・体力等により見え方が違うだけだと悟れました。

文明塾の軸である物を見る視点の違い、多くの価値観の中でこそ生まれるたくさんの体験とプログラムから、ロジカルな思考・目的に向かう道筋や伝える言葉も少しずつ見えてきています。文明塾の環境は目的に一途に向かう仲間の集まる居心地の良い温室ですが、これからはちょっと冷たい外に出て発信する事が私たちの役目なのだと思います。でも、ご縁が切れるどころか毎年家族が増えていく文明塾と言う「家」は、いつも温かく迎えてくれるもう一つの私の帰れる場所になりました。

募集要項

※ 福澤文明塾生の所属は、原稿作成時のものです。

※ 講師のプロフィールは、プログラム開催当時のものです。

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